さらに問題なのは、番組をすべてネット配信する方針を打ち出したBBCとは逆に、有料放送ではなく公共放送であるNHKがCASを使っていることだ。NHKが今の曖昧な受信料制度を正当化するには、BBCのように「受信料制度だからこそ個別の番組から料金をとらないでオープンに配信できる」というならまだしも、私的な有料放送システムであるCASを使うのは矛盾している。地上波では受信料を払っていてもいなくても見えるが、BSでは受信料を払っていないと「金を払え」という横断幕が出る。災害報道は公共性が高いのでB-CASなしで放送するというが、それ以外の番組は公共性がないのか。まったく論理が一貫していないのだ。