これだけ聞くと、順風満帆の生活に思える。だが、実際は違った。

 情状証人として証言台の前に立った被告の夫は、夫婦の夜の生活のすれ違いを淡々と語った。

 弁護人「夫婦関係はどうだった?」

 夫「子供が生まれて、ほとんどなかったですね」

 弁護人「証人(夫)から求めることはなかった?」

 夫「(求められても)断っていましたね」

 弁護人「優しく断ったのか、すげなく断ったのか。どちらですか」

 夫「疲れていたので、優しくなかったと思います」

 この夫の態度は、被告にとって我慢できないものだったようだ。