宇宙で最初に輝きだした星は、宇宙のはじまりのときの大爆発(ビッグバン)で合成された水素やヘリウム、そしてわずかなリチウムだけを含むガスから生まれたと考えられています。つまり、我々のまわりに見ることができる多くの元素がまったく存在しないという特殊な状況であったのです。そのために、星が誕生するための条件も現在とは全く異なり、最初に生まれた星の大部分は太陽質量の10〜100倍以上もある大質量の星であったと理論的に予測されています。しかし、その寿命は数百万年程度と非常に短かったために、現在では観測することができません。したがって、どのような大質量星が存在していたのか、また、最初に生まれた星の中に太陽やそれより軽い星はなかったのかという疑問に対する答えはまだ得られていません。