彼は「あなたがたは勉強が足りないから教えてやる」といって演説を始めたのだ。「医者と患者は同格の立場ではない。患者は判断能力がないのだから、カルテなんか見るのは混乱するだけだ。黙って医者のいうことを聞けばいい。医師会は、インフォームド・コンセントなんてまやかしの流行には乗らない」とカメラの前でぶちまくる彼に、われわれは唖然とした。

私もいろんな職業の人とつきあったが、こんなふうに特権意識丸出しで相手を見下してしゃべるのは、全銀協と医師会だけだった。医師全体がどうかは知らないが、医師会に社会的常識の欠落した人が多いことは間違いない。