このエンジンに処理を渡し負荷を分散させ並列化を推し進めるため、アップルはプログラミング言語「C」そのものを改造するという決断をした。

 この機能拡張は「Blocks」と呼ばれており、プログラムを意味ある塊(ブロック)に区切って、それを変数に代入したり、ほかの関数に渡すことを可能にする。Rubyなどのスクリプト言語高級言語)で「クロージャ」などと呼ばれている機能を、CというよりCPUに近い低級言語で実装したのだ(Blocksの詳細は「ASCII.technology 2009年9月号」に掲載)。

 また、ブロックをObjective-Cのオブジェクトとして扱うための、より高レベルのフレームワークも用意されている。このためGCDは特にMac OS XAPICocoa」との親和性が高く、Cocoaアプリケーションの並列化に威力を発揮する。