• あとは、”天然”とかというのも要注意。天然素材の方が危険な場合もある。

その理由はおそらく、本来パンに向かない国産小麦を無理やり使うためなのではないかと想像しています。パン好きの方には常識ですが、ごく一部の例外を除き国産小麦は製パンには不向きです。0.5ppb程度の臭素酸カリウムには防カビ能力はありませんが、パンの改質材になります。「国産小麦使用」を謳いたいなら「無添加」で美味しいパンを大量に作ることは非常に困難なのです。

昨今は国産なら何でも高品質だと盲信する風潮がありますが、国産小麦がパンに向かないように、残念ながら日本の農畜産物は味の面でも一流とは言い難いものが多々あります。何度も繰り返しになりますが、「特定の産地にこだわる」というような偏った食生活はリスク要因となります。選択肢が多ければ多いほどリスクは分散されるのですから。

そして更に注意すべきなのは、家庭の台所や零細店の厨房は不潔だということです。「手作りだから安全、安心!」というのは何の根拠もない思い込みに過ぎません。食の安全に対する最も大きな脅威は、添加物や残留農薬などではなく、細菌、ウイルス、カビとこれらが産生する毒素だということを改めて強調しておきたいと思います。