サクリは、指で押した力を一旦てこで約8倍にする(【1】)。しかし、押しているのは針を押す部品の根本で、実際に針を押すのは先端だから、今度は逆にてこが働く。今度は支点の位置が異なり、力点までの距離が約15mm。作用点までの距離が60mmだから、力は約4分の1になってしまう(【2】)。8倍にした力を4分の1にして、結果2倍。という計算だ(※理想的な点接触ではないので、実際はこの計算から誤差が生じる)。何でそんな面倒くさいことを、と思うかもしれないが、これによって、ホッチキス全体の長さをそのままに、2分の1の力で押せる仕組みを実現しているのである。