釜石市津波避難ビルに指定した建物の一つが、釜石港から50mほどの位置にある「市営釜石ビル」だ。8階建てで、1?3階が郵便局などのオフィス、4階以上が市営住宅だ。このうち4階以上の避難階段などが、避難場所として指定されていた。

 市営住宅の住民は、「周辺の住民はこの建物が津波避難ビルであることを知っていた。津波に対する意識は高かったと思う。高台の方が近い住民は高台に逃げ、海岸側の住民はこの建物の4階以上に避難していた」と3月11日の地震直後を振り返る。市営釜石ビルは2階まで津波が及び3階も床上浸水したが、4階に影響はなかったという。