印刷物の文字やデザイン、発色を確認する校正印刷では、1色刷るたびにインクの付いたローラーなどを洗浄する必要がある。印刷機が常時6台稼働していた大阪市の事業所では、1日に300?1000回洗浄していたと推定された。このため、私は大量に使われている洗浄剤に含まれる化学物質に注目した。インクなどに含まれる物質が原因の可能性も考えられるが、それ以上に使用頻度が高い洗浄剤に原因があるのではないかと推測したのだ。洗浄剤に含まれる化学物質は揮発性が高く、従業員がそれを吸い込む可能性も高かったはずだ。