海洋研究開発機構と東京大大気海洋研究所のチームは、天然ウナギの幼生が「マリンスノー」と呼ばれる主にプランクトンの死骸の破片などからできた沈降物を食べて育っていることを確認したと、7日付の英科学誌に発表した。

 これまで自然界の幼生が何を食べて育っているのか、複数の説があったが謎に包まれていた。海洋機構の大河内直彦プログラムディレクターは「卵から育てる完全養殖技術を確立するため、効率的な餌の開発に役立つ」と話している。

 現在のウナギ幼生の養殖では、サメの卵に大豆ペプチドなどを混ぜた人工餌が使われているが、成長速度が自然環境下の半分近くと遅かった。