微分方程式を解くには、積分という数学的技巧が必要になる。 なぜなら、物理法則のほとんどが「微分形」で書かれているからである。「微分形で書かれている」というのは「微小変化と微小変化の関係式で書かれている」と言ってもよい。物理の主な分野における基礎方程式は、運動方程式

m(d^2x/dt^2)=F

を初めとして、微分方程式だらけなのである。

 計算ではなく図形で「微分方程式を解いて関数を求める」というのはどういうことなのかを感じていただけたらと思い、アニメーションプログラムを作った。ただ計算するのではなく、「何を計算しているのか」をわかった上で計算のテクニックを学んだ方が理解は深まると思う。

 ここでは微分方程式の中でも一番単純な「一階常微分方程式」を考える。「一階常微分方程式を解く」とはどういうことか、一言で言えば、

dxと dyの関係が与えられた時、xと y の関係を求める。

ということになる。

 dxと dyの意味は、「xの微小な変化」と「yの微小な変化」である。