猛禽類のほかモズの眼にも中心窩が二つある.(ただしバークヘッドはこれがどのように使い分けられているのかについては書いてくれていない.片方は望遠用ということなのだろうか.またこの中心窩が二つあるという形質が鳥類の系統の中でどう分布しているのかについても書かれてはいない*1.興味深いところなのでやや物足りないところだ.)
フクロウの眼が前面に二つ並んでいるのは両眼視のためだとよく言われるが,実際には聴覚を優先させたために,そこしか眼を配置する場所がないためかもしれない.
鳥類の紫外線視覚が錐体の発見で裏付けられたのは1970年代のことにすぎない.
鳥類では右眼と左眼で視覚の仕事を分業させていることがかなり一般的にみられる.(望遠用,求愛用,採餌用など)
求愛コールを大音量で行うオオライチョウは,求愛コール中に耳の穴を塞ぎ,自分が難聴になるのを防いでいる.
都会に住むシジュウカラはさえずりの音の周波数を上げて背景騒音に対処している.
鳥類においてエコロケーションはアブラヨタカとアナツバメの2系統で独立に進化した.
鳥の嘴には神経の通る穴があるものがあり,多くの鳥は嘴に敏感な触覚を持つ.
ヒレアシシギは雌雄役割逆転種として有名だが,オスの翼の下にはヒナを入れる袋があり,そこにヒナを入れたまま飛ぶこともできる.
アカハシウシハタオリは鳥類としては珍しく交尾時間が30分と長く,観察する限りではオスはオーガスムを感じているように見える*2.
ズグロモリモズやズアオチメドリは羽根に猛毒を持ち,その鮮やかさは警告色と解釈できる.
キーウィの嘴の断面はきわめて複雑になっていて,嘴の先端には臭覚器官が密集している.
渡り鳥のリサーチからある種の鳥に磁気感知能力があることは明らかだが,至近的なメカニズムはなお未解決で,電磁誘導,生体磁気鉱物,生化学反応の3説があり,後ろ2メカニズムはそれぞれ見つかっている.
ロビン(ヨーロッパコマドリ)の磁気感知能力は右眼のみにある.