そこで得津助教らは、単細胞の緑藻であるクラミドモナスの葉緑体を用いて、強光下での光適応反応について詳しく検証した。「まず、LHCSRの合成が完了するまでの4時間については、集光アンテナとなるタンパク質(LHCII)をリン酸化修飾することでPSIIから切り離し、光エネルギーをPSIIタンパク質に渡さないようにしていることが分かりました」と得津助教。この一時的な対処は「ステート遷移」とよばれており、これまでは夕日や水中に射す光といった「光の色の変化」に対応するものとされてきたが、突然の強光に対しても発動されることが分かったという。