プラスチック製の食器などから溶け出す化学物質ビスフェノールA(BPA)によって、脳の神経組織の形成が妨げられることが、サルを使った米エール大などの実験で分かった。
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 米科学アカデミー紀要電子版で発表した。

 ネズミでは知られていた現象だが、内分泌や脳の構造が異なる人間でも起きるのかどうか、安全性をめぐる議論の焦点となっていた。

 異常が現れたのは、記憶や学習をつかさどる海馬などの、「スパイン」とよばれる構造。体内のホルモン「エストラジオール」の働きで形成が促進され、神経細胞同士の信号のやり取りに重要な役割を果たす。ところが、アフリカミドリザルにBPAを4週間与え続けた結果、エストラジオールの働きが妨げられ、領域によってはスパインの数が半分以下に減少した。