約4000万年前のこのクジラは、プロトケトゥスの近縁であるジョージアケタス(Georgiacetus)に分類されたが、ご覧のとおり三角形の尾びれを持ってはおらず、その代わりに水かきの付いた大きな足を持っている。
そして重要なことに、このクジラの後足の骨は水を掻くことが出来る構造を持っておらず、つまり足で水をかいて進むのではなく、現在のクジラと同様に体を上下にくねらせることで推進力を得ていたと考えられた。
一旦後足がただのフィンと化した後は、その機能がもっと効率の良い尾びれで置換される方向に進化するのは必然だったのだろう。
ジョージアケタスの200万年後には既に後足が完全に退化し、尾びれを獲得したプロトケトゥスやバシロサウルス科が出現し、さらに数百万年後の現鯨類出現につながっている。