「私は聞いてない」はかつて、オヤジの常套句だったが、今ではエリートキャリアウーマンの正当化へとその幅が広がった。こういう負の賢さを磨くなら、磨けばいい。
だが、その仕事に興味さえあれば、「いつ?何冊?どの本?」とおのずと質問は沸いて出てくるものだ。

 「聞いてない」は一見、連絡ミスのような印象を受けるが、実は、「興味がない」ことに過ぎない。

 「聞いてない」で逃げても、「じゃ質問はしたのか?」でもって逃げ道はやがて閉ざされてしまうことを知れば、負の賢さを磨くことは、私にはあまりお勧めできるスキルではない。