効率的なゴミの収集を実現するためにダストシュートが設けられた団地もあったが、湿度の高い日本では集積場所で生ゴミが腐敗し悪臭を発したため、結局使用禁止となったところがほとんど。そのほか、コンクリート製の高気密住宅も一般的ではなく、結露で壁にカビが生えるという現象も知られていなかった。なぜ壁の内側が湿るのか原因が分からず、「年数が経ってコンクリートが乾燥すれば解消される」といった誤った説明がされることもあったという。当時の入居者にとってはたまったものではないが、このように早期に蓄積された苦い経験が、その後日本の集合住宅の品質向上につながったという側面も大きい。