「真皮や皮下組織にまで傷が到達した場合、新陳代謝による細胞の入れ替わりを待っていては、完治するのに数年かかってしまいますよね。そこで、傷口を早急にふさぐために“肉芽組織”という細胞が増殖してくるんです。肉芽組織は、タンパク質でできた肉の塊のようなもので、毛穴や肌目、メラニン細胞がなく、周りの皮膚よりも一段階白い。つまり、通常の皮膚細胞と、傷口をふさぐために作られた肉芽組織は異なる組織なので、そこだけ白光りして見えてしまうんですね。皮膚細胞の欠損した部分が肉芽組織で埋まってしまうと、それがまた元の組織に戻ることはないんですよ」