DEETは、虫よけスプレーの標準成分として揺るぎない地位を築いているが、Tsikolia氏によれば、N-Acylpiperidineの系統にあるいくつかの化学物質が、DEETよりもはるかに長期間にわたって蚊を寄せつけずにいられるという。黒胡椒の刺激的な味のもとになる成分もN-Acylpiperidinesの仲間だが、この新しい虫よけ成分には胡椒のような刺激性の匂いはないと、Tsikolia氏は説明する。

この結果は素晴らしいが、この新成分がすぐに瓶詰めされて近くのアウトドア用品専門店で発売になるというわけにはいかない。DEETは広くいろいろな害虫に忌避効果があることが実証されているが、農務省の研究班がテストしたのは現在のところ1種類の蚊についてのみであり、他の虫にも有効かどうかの見極めに取り組んでいるところだ。