「バイオPCM」という植物由来の物質を使ったシート状の建材なのでした。

これは、米国ノースカロライナ州アスベロに本社を置くフェーズ・チェンジ・エナジー・ソリューション社(Phase Change Energy Solutions)が開発したものです。

シートには数センチ角の袋が整然と並んでおり、その中にはバイオPCMが入っています。この物質の融点は、23℃に調整してあります。朝の涼しいときには固体だった物質は、昼間に外気温が上昇し、23℃になると融解し始めます。

その間、固体から液体に相変化するための「潜熱」を吸収しますので、袋に入れた物質の温度はしばらく23℃のまま変わりません。

逆に液体になった物質の温度が夜、気温とともに下がり始めると23℃で凝固を始めます。この間、凝固熱を放出するので物質の温度はしばらく変わりません。

人間が快適に感じる23℃に融点を設定し、壁の蓄熱容量を大きくしたところがミソですね。同社のブースで聞いたところ、融点は調整可能だそうです。