ヤツメウナギの幼生はチューブ状の体を柔らかい泥の中に潜ませ、体に水を通すことで呼吸や摂食を行っている。泥や不純物が漏斗のような構造を持っ た口器にたまると、脳内のリズムジェネレーターによってコントロールされている、「咳」のようなしぐさで水を吐き出すことによってそれらを掃除している。

彼らがヤツメウナギから脳を取り出し呼吸に関連する部分の活性を調べたところ、呼吸と類似するパターンを発見し、リズムジェネレーターが二酸化炭 素を感知できることも発見した。そのため、ヤツメウナギの「咳」のような仕草が両生類の呼吸ととても近い関係にあるのではないかという。

これらの研究から、呼吸はリズムジェネレーターを持つ魚類のなかで発達し陸上への進出を可能とし、爬虫類、鳥類、哺乳類などへと進化していったと考えられる。もし二酸化炭素に敏感なリズムジェネレーターが存在しなければ、例え肺のような構造の器官が発達しても、肺としての役割を果たすことはなかっただろうという。