この「音響プリズム」は,長さ40cmの中空のアルミニウム製ケースで,側面に10個の穴が並んでいる。ケースの内部は,柔軟な高分子膜によって複数の小部屋に分かれている。障壁となっている膜が振動して隣の小部屋に音を伝えるのだが,音波の周波数によって遅れが生じる。遅れた音波が穴から漏れ出す際に異なる方向に屈折するので,周波数が最も低い音(赤色光に相当)は音源に最も近い端で聞こえ,周波数が最も高い音(青色光に相当)は音源から見て装置の下手へ屈折する。