目で見た情報は、後頭部の「第1次視覚野」に送られる。ATRの宮脇陽一研究員らは、血流の変化から神経活動を読み取る機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)を使って、この部分の活動を測定することで、見たものを推定する手法を考案した。

 まず、被験者に縦横10列の100マスがランダムに点滅する画像を見てもらい、脳活動のパターンを記録した。その上で、点滅するマスで文字や図形を描いた画像を見てもらい、脳活動を測定。前の記録と照合して、コンピューターで、見た文字や図形を推定して再現した。

 条件を決めずに様々な文字や図形を識別できたのは初めて。研究成果は11日付の米科学誌ニューロンに発表する。