小学生の二人。凍った川で溺れ、瞳孔は全開大し、ずぶぬれた体は氷のよう。もう死んでしまっているんじゃないか?あぁ、なんてことだ。なんてことだ。と取り乱しそうになる気持ちを抑えながら、溺水の治療を始めた。

いったい、いつから凍てついた川の中にいたのかすらわからない。いたいけな小さな体にIVHを入れ、気管挿管し、みんなで一生懸命蘇生をした。かすかな可能性を信じて。

がんばれー、がんばれーって医者も看護婦も叫びながら、必死だったさ。待ち合いからは両親の慟哭が聞こえてくる。