「日本語フォントで画面用に適しているものを指摘してほしいとマイクロソフトに依頼されました。でも2002年当時、画面に適したフォントはおそらくないので作るしかないとお答えしました」

 実際には当時、すでにアドビ システムズ、写研、モリサワ、タイプバンクなどがフォントのデジタル化を進めていたのだが、いずれもコストや権利処理の問題から候補とならなかったという。

 「何もないところから4万とか5万もの字をどうやって作るのか。ちょうどその頃うまく見つかったのがC&Gという会社です。日立のワープロ時代から文字を作っていた坂本達さんが作った会社です。昔のワープロはドットの文字で、画面上でどう見えるかについては非常な経験がある」