宇宙で最も豊富な元素は「水素」であり、その原子が出す周波数 1420 MHz (波長 21 cm)の電波は、 宇宙雑音の少ない周波数領域にある。宇宙の文明間交信では、この 1420 MHz の電波を使う可能性が 高いとされている。「ビッグ・イヤー」がとらえた電波もまさに 1420 MHzの電波であり、地上での使用が禁止されていた 電波であった。職員や学生たちも60ジャンスキーという強い信号の記録を見るのは初めてだった。しかもその信号は 72秒間しか持続しなかった。10 kHz 幅のチャンネル2のプリンター出力を見た職員のひとりが、 "6EQUJ5" という信号強度符号をマルでかこみ、その横に WOW!と記入したのである。