しかし1988年、ベトナムのカッティエン地域で15頭以下の個体群が確認された。数は少ないが、この群れから個体数を回復できるかもしれないと期待が集まった。アフリカのミナミシロサイという前例があったためだ。

 19世紀後半、密猟で20頭前後まで激減したミナミシロサイは、懸命な保護努力が実り、今では2万頭近くまで回復している。

 しかし2004年の調査時点で、カッティエン地域のジャワサイは2頭にまで減少。しかも両方共メスと判明し、その時点で回復の望みは絶たれた。

 2009年後半から2010年前半にかけ、イヌを使ってジャワサイの排泄物を探し、22の試料を採取。DNA解析の結果、すべて同じ個体だった。つまり2004年の2頭は、2009年までの間に1頭が死亡、もしくは殺害されたと判断できる。そして2010年、最後の1頭が死体で発見された。