いや、決死隊が招集される。

もし、シュラウドの交換作業が工程表のとおり終了していたら、そして、原子炉ウェルの水が抜かれていたら、使用済み燃料プールへ水が回ることなく、“蓋の無い炉心”である使用済み燃料プールからは、かつて人類が経験したことのないほどの量の放射性物質が大気中に放出されていたのです。

それだけでなく、福島第一原発の敷地内には誰も立ち入ることができず、冷却できなくなった1、2、3、5、6号機の原子炉では、次々と別の水素爆発が起こり、各号機建屋の使用済み燃料プールの水がすべて蒸発して、空炊き状態になるのも時間の問題だったでしょう。
そして、原子炉、プールともに核燃料の溶融が始まるのです。

さらに、当然のことながら、福島第一から南方20kmに位置する福島第二原発も全面撤退を余儀なくされ、ここも時間の問題で、福島第一原発と同様、破滅的事態に陥っていったでしょう。

さらに、東海第二原発女川原発にさえ、大量の放射能が襲い掛かり、とんでもない数の作業員の人たちが犠牲になったでしょう。
そして、最後には、こちらのほうも撤退ということになるのかもしれません。

福島県浜通りの住民は、語ることさえ恐ろしい結果になっていたはずです。

4号機の使用済み燃料プールの崩壊は、日本列島、そして全世界の破滅の序章に過ぎなかったでしょう。
本当に世界が終っていたのです。