激しい開発競争が続く立体映像システムだが、これまでは特殊なメガネが必要か、見える範囲が狭かった。舘さんは「裸眼で、しかも全周囲カラーの立体動画が味わえるのは世界初」という。

写真360度の映像を立体的に見ることができるディスプレー。立体電話に応用する試験が始まっている=東京都文京区の東京大学

 装置は高さ1.2メートル、直径2メートルの円筒形。円筒の内壁面に約5万個の発光ダイオードを柱状に特殊な配列で並べ、毎秒1.6回転の速さで回転させる。人が中に入ると左右の目に微妙にずれた映像が届き、立体的に見える。周囲どの方向でも立体的に見えるので、現実空間にいるような感覚が得られるという。