英語も含めて、人間が使用する言語の約半分では、主語の後に動詞が続く。こうした言語を生まれたときから使用している人には、「Bill cake eats(ビルが、ケーキを、食べる)」というSOV型の語順の文は、直観に反しているように聞こえるかもしれない。だが、こうした文章構成の方が、実は人が認識する順番に従っているようなのだ。

「これは、言語よりも先に頭に浮かぶ、本来の思考の順番を反映しているのかもしれない。非常に自然であるように思われる」と、今回の論文の執筆者の1人であるシカゴ大学の心理学者、Susan Goldin-Meadow氏は語る。

Goldin-Meadow氏の研究チームは、40人の被験者(SVO型である英語、中国標準語、スペイン語を母国語とする被験者各10人と、SOV型であるトルコ語を母国語とする被験者10人)に、「少女がノブを回す」といった一連の単純な行為を身振り手振りで表すよう求めた。

その結果、母国語に関係なく、ほとんどすべての被験者が、主語(少女が)、目的語(ノブを)、動詞(回す)の順に身振り手振りを行なった。