「小麦粉に関していえば、タイ焼1個当たりの量はわずかなものです。うちは生地に卵や飴の類いも使いませんし、小豆は昨年、値上がりに備えて年間使用する量をいっぺんに購入したんですよ。600万円ほどかかりましたけどね」

 小豆は一昨年から、一大産地の北海道十勝地方で豊作が続き値段が下がっていた。その機を逃さず“一気買い”に出たというわけだ。4代目の思惑どおり、小豆の価格は今年に入って再び値上がりに転じた。冷凍ギョーザ事件以降、中国産食品の輸入が一時期ストップしたために、国内産小豆の需要が高まったことが背景にある。

 2度のオイルショックバブル崩壊時もタイ焼が「酸欠になることはありませんでしたね」と4代目社長は振り返る。