10月14日正午、タンクローリーの火災事故から73日目に首都高速5号池袋線が全面開通した。約20億円を投じて、火災の熱で損傷した高架橋の鋼桁と床版を2径間分の計40mにわたって架け替える工事は前代未聞。部分開放しながら半断面ずつ施工するという厳しい条件の下、当初の予定よりも工期を約1カ月短縮した。架け替えの施工手順と復旧までの軌跡を写真で振り返る。

 首都高速5号池袋線の下り線で、タンクローリーが横転して炎上したのは8月3日のこと。事故の現場は、下り線の上に上り線が通る2層構造。いずれも長さ20mの鋼製I桁を6本ずつ各径間に架けた鋼単純桁橋だ。火災の熱で上り線の鋼桁が大きく変形し、路面が60?70cm沈んだ。