JIS Z 8401の規則A
ところが、四捨五入では困ったことがあります。それは、多数の数値を四捨五入によって丸めた場合、平均するとわずかに正の誤差が生じることです。 なぜなら、切り捨てられるのが1,2,3,4の4個、切り上げられるのが5,6,7,8,9の5個の数字なので、全体として切り上げられる場合のほうが多くなるからです。 そこで、数値の丸め方について定めているJIS Z 8401の規則Aでは「丸めた数値として偶数倍のほうを選ぶ」としています。どういうことかというと、例えば12.25を小数点以下1桁の数字に丸める場合は切り捨てて12.2に、同じく12.35を丸める場合は切り上げて12.4にします。この規則なら5は切り上げられたり切り捨てられたりするので全体として特定方向への誤差は生じません。