東日本大震災発生から約30分後、津波発生源上空の電離層(高度80〜300キロ)を構成する電子の数が通常より30%減る異常現象が起きていたことを、北海道大学の柿並義宏・研究員(超高層大気物理学)と東京学芸大学の鴨川仁(まさし)助教(大気電気学)のチームが発見した。電離層の異変は、東北地方沿岸に大津波が押し寄せる前に始まっており、大津波の早期検出と避難指示に役立つ可能性がある。

 この異常現象を「電離層ホール(穴)」と命名し、米地球物理学会誌に発表した。