人間を含む哺乳類の細胞は、増殖を停止する際、表面に「一次線毛」と呼ばれる突起物を生じることが知られていた。研究チームは、一次線毛が形成されると、細胞内から、ある酵素が減少することに着目。培養実験の際、この酵素を人為的になくすと、正常細胞は突然、一次線毛を形成し、健康なまま増殖しない「休眠状態」となった。

 一方、がん細胞は増殖が続くことを確認したが、増殖の際、うまく細胞分裂できずに死滅したという。